5年程前に中古アパート1棟購入し不動産投資を始めたけれども、その後に出た空室をなかなか埋めることができずに、民泊を始めた弱小投資家です。
最寄駅からバスという立地的にはあまり良くない物件だったので民泊を始めるには若干の不安はありましたが、いざ始めて見ると、数ヶ月先まで予約が埋まっている状態でした。
家電などの取扱説明、緊急時の対応も必要とすることから、日本語もしくは英語で私とコミュニケーションができないゲストの宿泊予約はお断り、予約時にはご近所とのトラブルを防ぐために、ゴミ出しルールや騒音について理解してもらうように徹底しました。
また緊急時にはいつでも対応できるような体制をとり、おかげさまでご近所トラブルもなく、ゲストがレビューを書けば高評価を頂き、順調な民泊運営を行なっていました。
民泊新法が6月15日に施行されるまでは。
民泊新法に対応するために情報を色々集めて、頑張ってはみましたが、あまりのハードルの高さ(=面倒臭さ)に結局断念することにしました。
1.民泊運営制度システムで届出
民泊新法に対応するためには何をすれば良いのか、物件所在市のホームページを今年の3月あたりからチェックしていましたが、一向に情報が更新されませんでした。
保健所に聞いた方が手っ取り早いと、電話してみたら、窓口に来て下さいと言われたので、わざわざ半日休暇をとって、保健所に行きました。すると、民泊運営制度システムで届出をするだけで良いという回答でした。瞬殺です。
この届出を行うためには消防適合通知書を発行してもらう必要があるということで、物件所在地管轄の消防署に行ってきました。
2.消防法適合通知書の発行
朝早く出社前に物件管轄の消防署に行き、民泊新法対応のために消防法適合通知書を発行してほしい旨を相談すると、私が初めてのケースだったようで、対応された方はPCに向かって一生懸命調べ始めるような状態でした。その日は諦めて、日を改めて伺うことにしました。
民泊業を行うなら、旅館業法と同じように消防法に適合した設備を導入しなければならないとのことでした。それは何かというと、各部屋に自動火災報知器をつけて、防火カーテン、防火絨毯、非常口の誘導灯などなど。
これらが全て準備できたら、消防署員が実際に物件をチェックし、問題がなければ晴れて消防法適合通知書が発行されます。その際に「建物の設計図も必要です。」と言われたのですが、中古アパートを購入したのですから設計図なんてありません。
しかし、前述した民泊制度システムでも設計図を添付書類として提出しなければなりません。
業者さんに設計図、消防設備に関わる費用を見積もってもらいましたが、この時点でここまでして民泊を続ける必要あるのか、少し考えることにしました。
3.住宅宿泊管理業者との契約
今までは自分が全て対応していたのですが、民泊新法では同じ建物に住んでいない場合は、住宅宿泊管理業者と契約して、自分の物件を管理してもらわなければなりません。
この住宅宿泊管理業者は登録を受けた業者になるのですが、どこにいるのかが情報がなく、さっぱりわかりません。それもそのはず、この住宅宿泊管理業者も民泊新法が施行された6月15日から登録開始するのですから、業者の実績もわからないし、信用に値するのかも未知数です。
結局、あまりにも大変というか、手続きが面倒すぎて民泊新法に対応することをやめました。と、同時に物件の売却も決めました。
物件の近くには大学や病院があり、そこへインターンとして中長期で滞在する東南アジアからのゲストがリーズナブルな値段で滞在できるということで結構な需要がありました。民泊新法に対応した場合、そのコストを宿泊費にのせないとやっていけません。そしたらその時点でリーズナブルな宿泊費ではなくなります。
近隣には長期滞在できるようなホテルもないので、「部屋が空いていないの?」と以前に利用してくれたゲストからの問い合わせを頂くのですが仕方ありません。
この民泊新法がうまく機能していくのか、旅館業の申請と同じような扱いにただ疑問しかありません。